RPGツクールのせいでニートになった09 第2章 農民は見た
Wisdom Book 第2章 農民は見た
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登場人物
アムル:農村の不良。大儲けをして外の世界へ旅立ちたい。
がんじ:忍者を勘違いした忍者。臆病者。
妖魔:伝説の妖魔。彼の血は『知識の実』をつくり、彼の肉は永遠の生命を与える。
あらすじ
あるところに、コサリアという村がありました。
コサリアの不良アムルは、儲け話を探していました。
「やあ、アムル。『知識の実』を知っているかい?」
友人のマイスによると、妖魔の血を土に蒔くと『知識の実』ができるそうです。
『知識の実』を売れば大金持ちになれると確信したアムルは
妖魔を捕まえるために旅立つのでした。
Aの原案『農民はみた』は、会話によって生まれたシナリオである。
友人Aに脚本を依頼したが、Aは脚本を書いてくれなかった。
業を煮やした僕は、アイディアの聞き取り調査を開始した。
「今までにない主人公にしたいな」
「じゃあ、農民にしよう」
「ただの農民ではつまらないよ」
「いいや、主人公は妖魔を殺して、金儲けをしようとしているんだ」
「仲間の忍者は途中で裏切る設定にしてくれ」
「マジかよ」
というような会話が続き
農村の不良であるアムルが、妖魔を退治して金儲けをするという設定が出来上がった。
仲間のガンジが裏切るという最後もこの時に決まった。
このAの原案を僕がゲーム用にアレンジした。
農村の不良というキャラをつかめなかったので、中村うさぎのゴクドーくん漫遊記を参考に
アムルのセリフを書いた。
最後のオチである、妖魔をいい人だという表現に苦労した。
最初の案では妖魔には人間の恋人がいて、戦闘前に逢引をするシナリオであった。
Aに見せると、つまらないと言い出したので没にした。
困った僕が思いついたのが、動物を使うことである。
動物が好きな人に悪い人はいないという、ムツゴロウの法則に従って
動物好きの妖魔というキャラをつくりあげた。
もうひとつの問題はエンディングである。救いようがあって不幸なエンディングを作ろうとして相談した結果、アムルが妖魔になって人間に追われるという最後が決まった。
2章は、全シナリオで一番嫌いなシナリオだった。
RPGでギャグをするのが苦痛で、Aの意図するものが分からなかった。
だが、実際に遊んでもらうと2章が一番喜ばれたものだから不思議である。