人がニートを辞めるためには 12  最終回 理不尽な就職戦争を終えて

ニートから脱出して正社員の仕事を見つけるまで3年掛かった。
本当は新卒で入社していた筈だった。
就職活動の失敗により多くのものを失った。

1 人を追い詰めるもの

就職失敗によって、多くの人が敵になった。

クズ、怠け者、無能、だからお前は……。

単純に僕は活動の要領が悪いだけだった。
しかし、彼らは失敗の原因を個人の資質にして
自己責任にした。

僕は彼らを許す事はできない。
誰かを追い詰めて楽しい顔をするな。

彼らがうまく就職できたのは努力したからではない。
運が良かったのと、面接した会社が良かっただけだ。
大学生の資質は、大きく差があるわけではない。
新卒の学生が即戦力にはならない。
資質を問われるのは入社してからなのだ。

就職活動に問われるのはテクニックだけだ。
ほんの少しの勇気があればいいのだ。

2 失敗者に死ねというのか

ニートから就職活動をしてみて
この社会が失敗者に厳しい事を知った。

一度でも、就職活動に失敗すると
復帰が難しいのだ。

病気やうつ病からの社会復帰となると
就労のハードルは上がり続ける。
発達障害や身体障がい者に対する就労支援も遅れていて
働きたい人が働けない状況になっている。

現在、約3万人自殺している。
この社会は失敗者に死ねと言っている。

3 それでも生きる為に

この文章を書いたのは就職に躓いてニートになった人の
生きるヒントとして書いた。

ニート時代に僕は死にたかった。
社会に必要とされないのが嫌だった。

友人に死を仄めかす事を言っても真剣に話を聞いてくれなかった。
彼は相談した僕は『キャラクターが違う』らしかった。
以後、彼を信じる事を捨てた。
家族や古い友人は僕にとって敵でしかなかった。

僕は自分の周りに相談する事をあきらめて
読書を通じて外部の人に助けを求めた。
アルバイトを通して多くの人から人生を学んだ。
ハローワークに一緒に友人と行って助けてもらった。

僕が就職できたのは彼らのおかげである。

4 人がニートを辞めるためには

ニート脱出から7年が過ぎた。
僕が書いてきた2003年〜2006年より就職状況は厳しくなってきている。

あなたがニートなのは、甘えやなまけではない。
あなたの社会へのやる気や憧れを壊していった環境が悪い。
就職して後輩を育ててきたが
希望に満ちた者がやる気を失って退職していく様を何度も見てきた。
明日へ生きるヴィジョンが失われていくのだ。

明日を生きる為には自分をニートにさせている環境を是正しなくてはいけない。
まずは、やる気や気力を回復する事がニート脱出に必要だ。
明日を生きる事ができれば、明後日も生きられる。

自分を一気に変わるのではなく
少しずつ変えていく事が大事である。

ニート脱出はそんなに難しい事ではない。
誰にだってできるのだ。