RPGツクールのせいでニートになった12 夢を諦めたあの日

友人Cとの出会いは、高校1年の頃だった。
彼はPCエンジンDuo-Rやセガサターンプレイステーションを所有する生粋のゲーマーであった。彼から借りた数々のゲームはウィズダムブックの参考になった。

友人Cの評価を得る事がこのゲーム製作の目的の一つであった。

年が明けて早々、友人Cの家へ遊びに行った。ウィズダムブックの感想を聞くためだ。

「つまらなかった。お前の担当した3章は一番つまらなかった」
「妹にやらせてみたが、白ける話に笑っていた」
それが彼の感想であった。

彼は三章があまりにもシリアスでつまらなくて、笑うしかなかったそうだ。

この時、僕は受験勉強を怠けてゲームを作っていたことに後悔をした。取り戻すことのできない時間、目の前に立ちふさがる試験。模試の結果も散々だった。僕はウィズダムブックを忘れて勉強に打ち込むべきであった。

結局、メンバーや友人たちの評価が僕の思っているよりもずっと悪かった。
僕は努力しても成功しない事、自分に才能がない事を自覚した。

RPG製作は将来の賭けであった。
ウィズダムブック完成後、これが駄目だったらゲーム関連の仕事を目指すのはあきらめようと思っていた。

結果、RPG製作は僕にとって失敗になり、人生最初の挫折を味わうのであった。

友人Cに認められていたならば、僕の将来は変わっていたと思う。

高校3年生の頃、認められる事や褒められる事に渇望していた。
好きなことを誰かに認められる事が必要だった。
それは、僕にはゲームしかなかったからだ。

他人に優位に立てる筈の”ゲーム”を失った僕は
”オタク”と呼ばれることに憤りを感じるようになった。